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シニアが交流しながら学ぶ「あすなろ大学」 大学展2017

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 神奈川県座間市立東地区文化センターで行われている高齢者向けのあすなろ大学の大学展が、2月3(金)~5日(日)にハーモニーホール座間ギャラリー行われた。

多くの人が熱心に発表を聞いていた。(写真提供:座間市立東地区文化センター)クリックで拡大

 あすなろ生(学生)だけでなく、友人や家族、あすなろ大学に興味のある人も集まり、連日200名近くの人が大学展を楽しんだ。

 当日は、調べ学習の発表会、レポート展示の他、日本地名研究所所長・関和彦氏による講演「古代『座間』びとが見た風景と社会」も開催。同大学の「そば打ちクラブ」によるそば試食会も行われた。
 笑顔と熱気あふれる大学展の様子をレポートするとともに、あすなろ大学について学生にお話をうかがった。

ハーモニーホール座間の入口。クリックで拡大

『大航海』という学び方

 あすなろ大学の大きな特徴は、『大航海』という調べ学習の手法を取り入れていること。

 学び方を、船の航海に例えている。
 学校の学びを、目標に向かって教師が生徒を導いていく『定期航路的学習』とするなら、自分で自由にテーマを決め、自由なやり方で進める調べ学習が『大航海的学習』なのだ。
 あすなろ大学のホームページには、「宝島(学びの目的・成果)を求めて進む大航海のような学習」とある。

レポートは図書室におさめられる。クリックで拡大

 また、大航海的学習のもうひとつのポイントは、「けっして競争ではなく、“誰もが先生、誰もが生徒”で、助け合い、補い合う仲間たちであること、分かりやすいように伝え、話しやすいように聞く」という「相互学習の習慣」だ。(「社会教育」誌2015年11月号41ページ、座間市立東地区文化センター社会教育指導員・安藤咲枝さんのレポートより)

 この大航海の記録はレポートとなって東地区文化センター図書室に置かれ、地域の人々が閲覧できるようになっている。
 レポートの目録は、あすなろ大学のホームページに掲載されている。

あすなろ大学のホームページ

来年で30周年を迎える

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 来年で30周年を迎えるあすなろ大学は、今期213名が在籍。60歳から、最高90歳の人もいるという。女性よりも男性の受講生が多いことも特徴だ。
 学習プログラムは、外部から講師を呼んで行う講座だけでなく、あすなろ生が講師になって行う講座もある。

また、学ぶだけでなく、毎年開催される東地区センター主催の文化祭などにボランティアで参加。地域の人との交流も楽しんでいる。

 そして、同大学のもうひとつの特徴は、学生が主体となって運営していること。座間市立東地区文化センターは、あくまでもサポートするという形になっている。
 ちなみに、受講料は無料で、あすなろ会会費は年間1000円。

自主学習の発表会

発表を行うあすなろ生(写真提供:座間市立東地区文化センター)クリックで拡大

今年の大学展では、3日間にわたって計26グループが発表を行った。

 その内容は、地元の歴史関係、環境、文化、経済、防災、健康など多岐にわたる。
 大航海的学習は終点がないため、どんどん学びが広がっていく。
 1年間の学びの成果を発表した学生は、さらに学びを進め、また来年の発表会に臨む。
 

大学祭らしい展示発表

 展示発表は、発表を行ったグループも含めて全34件。また、レポート展示もあった。
 歴史や文化、憲法についての展示なども。学生が彫った神楽面も並んでいた。
 どの展示も学生たちの力の入れようがうかがえる内容で、まさに“大学祭”。学びを楽しんでいることが伝わってきた。

さまざまな学習成果が展示された。クリックで拡大

学生が彫った神楽面。クリックで拡大

 

 

 

 

 

 

レポート紹介コーナー。右下には「社会教育」誌も。クリックで拡大

あすなろ生の心得とは

 あすなろ大学では、多くの男性シニアがにこやかに学んでいるが、人間関係の問題は起きないのだろうか? あすなろ大学・あすなろ会の会長、佐々木邦彦さんに聞いたところ、入学するときに次の3つのルールを確認するそうだ。

 1、調べ学習で心を磨くこと。 
 2、仲間の過去を問わず、誰からも問われない。「現在の自分」は自分自身が評価する。
 3、仲間とコミュニケーションをとること。

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  この3つを「あすなろ生の心」としている。
 特に、「仲間の過去を問わず、誰からも問われない」ことは重要だという。

 それでも、最初はいろいろ意見を言う人もいるそうだが、学んだり仲間と交流したりするうちに、だんだんと“あすなろ生らしく”なっていくそうだ。

クラブ活動で交流が深まる

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 あすなろ大学が30年近く続いてきたのは、クラブ活動があり、クラブ活動を通じて学生たちの交流が深まることが大きいと、佐々木会長は話していた。
 現在、唄おう会、鎌倉クラブ、パソコン・デジカメクラブ、そば打ちクラブ、麻雀クラブなど12部ある。
 学びだけでなく、仲間と楽しむクラブ活動。この両方があってこそあすなろ大学なのだ。

  青島靖次さんはそばを作ってみたいと思っていたとき、そば打ちクラブがあることから、あすなろ大学を知ったそうだ。クラブだけに入れないため、大学に入学したという。

学生生活10年目の青島さん(左)と、佐々木会長(右)クリックして拡大

 牛乳について調べることから大航海的学習を始めた青島さんは、今年は「食品表示の一元化 機能性表示食品(サプリメント)について」を発表した。
 また、高校野球100年のあゆみ「心に残る」夏の甲子園ヒーローについての発表も行っていた。
 学習していくと、どんどん疑問がでてきて学びが広がっていくんです」と青島さん。また、あすなろ大学について「いろんな人と交流しながら学べることが大きいですね」と話していた。

座間モデルとして世界に発信したい

連日、多くの人が来場した。 クリックで拡大

 2006年6月、国際基督教大学の高橋一生教授があすなろ大学で講演をしたとき、同大学のスタイルを大いに気に入り、「あすなろ大学は『座間モデル』として世界へ発信するべき」と語ったそうだ。
 あすなろ会の佐々木会長は、「他の地域にもこういう大学ができて、交流できたらいいですね」と話していた。

 

*“得る”Cafeでは、すなろ大学 あすなろ会 会長 佐々木邦彦さんのインタビューを行っています。

インタビュー記事はこちらへ

(取材・まとめ “得る”Cafe事務局 いとう啓子)

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