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絵本&演劇ワークショップで多様性を考える


絵本「にじいろのさかな」&演劇のワークショップ

多文化を背景に持つ子どもたちの支援者会議 公益財団法人国際文化フォーラム(TJF)は、設立30周年を機に、2018年3月に多文化を背景に持つ子どもたちのエンパワーメント活動として「多言語パフォーマンス合宿」を実施する。
 この合宿では、多文化を背景に持つ高校生と日本の高校生が参加して、協働的な活動を通じて「多文化共生」について体感することになっている。

 来年の合宿に向けて、TJFでは多文化共生をめざす活動をしている関係者向けのイベントを8月12日に講談社会議室(東京都文京区)で開催した。

第1部 絵本「にじいろのさかな」作者のワークショップ
「他の人とシェアすること、分けること」が大切

絵本「にじいろのさかな」の作者、フィスターさん クリックで拡大

 第1部は、教員・指導員を対象とした「にじいろのさかな」ワークショップ。
 世界で60近くの言語に翻訳され、約1500万部も読まれている『にじいろのさかな』シリーズの作者、マーカス・フィスターさんのワークショップだ。
 初めて『にじいろのさかな』が出版されてから25周年となる今年の7月には、新作「にじいろのさかな まけるのも だいじだよ」を出版。これを記念してフィスターさんは来日した。

 スイス出身のフィスターさんは多民族の中で育ったそうだ。今も、スイスの小学校では児童の半数くらいはそれぞれに違う言葉を使うという。
 「他の人とシェアすること、分けること。外見は大切じゃない。いい友達を作ることが大事。言葉や文化はいろいろ違うが、いかに仲良くなるかです」と語っていた。
 

魚の絵の描き方を説明するフィスターさん クリックで拡大

絵本「にじいろのさかな」では、にじいろのさかなが、自分のきれいなウロコを友達にあげることで、気持ちを伝えている。
 また、新作では負けることがテーマになっている。
「負けることはネガティブじゃない。負ける自分を許すことが大切です。子どものとき、フラストレーションとつきあう力を付けることが大事。これが大人になって生きてくる。負け組みもいい 負けたことから学べばいいと思います」とフィスターさんは話した。

自由に魚を描く

魚の絵を描く参加者たち クリックで拡大

続いて、自由に魚を描いて遊ぶワークショップが行われ、筆者も一緒に体験した。
 まず、フィスターさんは「普通の魚の形に捕らわれず、自由に魚の絵を描きましょう」と指示した。
 「テレビの魚、地球の魚、なんでもいいんです」とフィスターさん。
 『自由』と言われると、案外難しいものだ。とりあえず、思いつくままにいろんな形の魚を描いてみた。丸い形を描いていると、ふとギターを思い出したので、ギターの魚を描くことにした。
 約15分間、25名の参加者はそれぞれに魚の絵を描いていった。それを切り取りおでこに付けて、会場の後ろ側スペースに移動した。「そこは海だから自由に泳ぎましょう」とフィスターさん。
 動きながら見回すと、みんながまったく違う魚を描いていた。さまざまな魚の絵を見ていて、人はそれぞれに違う個性を持っているということを改めて感じさせられた。

描いた魚の気持ちを発表した クリックで拡大

 その後、ひとりずつ何の魚か、今どんな気持ちなのか発表していった。
 私はギターの魚なので「きれいなメロディーを奏でて世界中を泳ぎ回り、みんなを愉しい気持ちにしたい」と発表した。
 みんながそれぞれまったく違う気持ちを発言していった。透明のさかな、キュウリのさかな等々。子どもたちだったら、もっと自由で愉しい魚であふれるだろう。
 また、ほとんどの人が初対面だったが、このワークを通じて徐々に親近感を感じていった。
 フィスターさんが話していた「いろんな人が絵を描くことで一緒になるんです」ということを体感した。
(ここまでの写真:(c)但馬一憲)

第2部 多文化共生の支援者会議
演劇ワークショップは「ことばを越えた表現」

第2部は、多文化を背景に持つ子どもたちの支援者会議が行われた。

可児市国際交流協会事務局長の各務さん

 まずは、岐阜県可児市国際交流協会事務局長の各務眞弓さんが、同協会の活動を紹介した。
 “得る”Cafeでは、同協会が行った「フィリピンと日本の青少年向け演劇ワークショップ」をレポートしている。(動画もあります)
 レポートは、ここをクリック

 各務さんは、演劇ワークショップの効果について「ことばを越えた表現力」「グループの仲間で話し合って表現する」「自分自身の内面を表現する」ことにより、地域の人(日本人)との交流、他者を認める、連帯感、学習の意欲につながると話した。
 実際、演劇手法を取り入れたワークショップを行うようになった2013年以降、同協会で支援する子どもたちの高校進学率は上がっているそうだ。

演劇ワークショップについて語る田室さん

 続いて、演劇ユニットSin Titulo代表の田室寿見子さんが、可児市で行ってきた演劇の手法を用いた多文化共生プロジェクトについて紹介した。
 田室さんは、教育や福祉とは違う芸術の果たす役割について言及した。
 外国人はマイノリティとしてよく分からない人、『エイリアン』のように扱われる傾向があるが、芸術をツールにすると、彼らが『独創性を持つ表現者』であることが分かり敬意が生まれる。
 また、日本人はマジョリティなのだが、同調圧力による「うつ病」「ひきこもり」などに陥る人もいる。このような人たちが、芸術を通して多様な価値観を発見することができると話していた。 (図を参照)

クリックで拡大

演劇ワークショップを体験する

演劇ワークショップの様子

 この後、俳優の河野悟さんをファシリテーターに、実際に演劇ワークショップを体験。「ふたり兄弟の人」「血液型A型の人」を入れた少人数グループを作ったり、グループ毎に30まで数えるゲームなどを行った。簡単なゲームを楽しむことで、見知らぬ人とだんだんと打ち解けていくことを体感した。
 

ゲームを楽しむ参加者たち

 ワークショップの後は、集まった人がそれぞれに活動内容や、今後への課題などを話した。演劇ワークショップは未知の領域という参加者からは、期待や不安なども聞かれた。

 公益財団法人国際文化フォーラムは、来年3月に多文化を背景に持つ高校生、多言語を学んでいる高校生向けの「多言語パフォーマンス合宿」を開催する。
 実施内容などについては、“得る”Cafeでも紹介する予定です。

(取材:“得る”Cafe事務局 いとう啓子)

国際文化フォーラムのサイトへ

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