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多様な人が新しい空間を創造するWorkshop@横浜美術館

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ワークショップ「Green Light」@横浜美術館
ランプを作りながら、多様な人が新しい空間を創造する

ヨコハマトリエンナーレ2017の展覧会「島と星座とガラパゴス」のエントランス

 2017年8月4日(金)から 11月5日(日)、横浜美術館(神奈川県横浜市)で現代アートの国際展、ヨコハマトリエンナーレ2017「島と星座とガラパゴス」が開催されている。

 この展覧会は3年に1度開かれているイベントで、今年のテーマは「『接続』と『孤立』から世界の今を考える」となっている。

 同イベントのホームページには、「先行きの見えない複雑な時代に、人間の勇気と想像力や創造力がどのような可能性を拓くことができるのか。 多くの人々とともに考え、開国、開港の地・横浜から新たな視点を発信します。」と記されている。

 現代アートの展覧会だけでなく、さまざまなイベントが開催されている。

詳しくはこちらへ

アーティスティック・ワークショップ「Green Light」

会場後ろ側に、LED照明がつけられたランプが飾られていた

 アーティスティック・ワークショップ「Green Light」は、デンマーク、ドイツを拠点に国際的に活躍するアーティスト、オラファー・エリアソン氏が、難民・移民を歓迎するために実験的に行ってきたワークショップだ。

 ウィーン、ヒューストン、ベネチアで行われたワークショップが、今回アジアで初めて横浜で開催された。

難民・移民支援について学ぶ

 「Green Light」ワークショップの前に、難民に関する講演などが行われた。

 難民・移民支援といっても、ほとんどの日本人は現実感がないだろう。日本は欧米とは違い、大量の難民流入には直面していない。

 しかし、さまざまな事情により日本にやってきて暮らしている人々がいる。彼らはさまざまな困難を抱えながら日本の中で生活している。

 ランプをつくるワークショップの前に、難民とはどういう人々なのか、どのような状況に置かれているのかなどを学ぶ講演が行われた。

 背景の異なる人々と共に生きる環境づくりをすることの大切さ、また多様な人々と共生することが社会の豊かさにつながる可能性について学んだ。

 概要は下記のとおり。

ランプ組みたてワークショップの様子。

8月21日(月)、28日(月) テーマ「難民・強制移動」
グループワーク「ワタシが難民になったら」
シリア難民のことを学んだあと、シリア難民が直面している困難を「自分のこと」として考えるグループワークを開催。
講師 ラガド・アドリー(AAR JAPAN [難民を助ける会] 支援事業部プログラム・コーディネーター)
穂積武寛(AAR JAPAN [難民を助ける会] プログラム・マネージャー)
栁田純子(AAR JAPAN [難民を助ける会] 支援事業部主任)

9月9日(土) テーマ「包摂」
グループワーク「難民が地域で暮らすということ」
難民について学んだあと、受け入れのために何ができるのかグループワークを行った。
講師 吉山昌(認定NPO 難民支援協会 ディレクター・事務局長)

9月10日(日) テーマ「共生」
「若者たちのライフストーリー:<移民>から<わたし>へ」
ネパール出身で日本で暮らす若者が、アートを通してどのように社会とつながろうとしているのか話を聞いた。
講師 アビナッシュ・ガレ 一般社団法人kuriya(移民や多文化の若者を対象に、アートを通じた人材育成事業を行っている)スタッフ

“得る”Cafeでは、kuriya代表の海老原周子さんのインタビューを行っている。
インタビューはこちら

在住ネパール人のライフストーリー

「若者たちのライフストーリー」左からヨコハマトリエンナーレ2017プロジェクト・マネージャーの帆足亜紀さん、ガレさん、海老原さん。

 現在、日本で生活しているアビナッシュ・ガレさんは自身の体験を英語で語り、通訳はkuriya代表の海老原周子さんが担当した。

 ネパールでホームページ作成などの仕事をしていたガレさんは、ご両親が先に日本で生活していたため、2012年に来日した。

 来日当初は、日本語がまったくわからなかったため、孤独な日々を送ったそうだ。ネパール人によるネパール新聞の制作を手伝うようになってからも、日本人との接触はほとんどなかったという。

 その後、東京都内を中心に、アートを通じた移民や多文化の若者の人材育成事業を行っている団体(現在のkuriya)と出会い。アート・プロジェクトを通して、多様な人々と交流していくうちに、いろいろな表現があることを知り、社会とつながることができるかもしれないと考えたそうだ。

講演を終えたガレさん(右)もワークショップに参加。小グループに分かれて作業した。

 「kuriyaでのアート・プロジェクトがターニング・ポイントになった。今は、日本人、外国人も一緒にアートを通じて交流している。アートは、言葉の違い、文化の違いを乗り越えて人をつなげることができる。アートは言葉と違うコミュニケーションだということが分かった。日本人や外国人と交流しながら、お互いに学びあうことができた。無理に日本人と同じようなことをしなくても、違いを強みにして自分らしく生きていけるということが分かった」と語った。

 今は、ガレさんはkuriyaでユース・メンバーとしてアート・プロジェクトの企画運営に携わっている。日本に在住する移民の若者たちを追ったドキュメンタリーを制作予定。また、海外の団体との共同プロジェクトをきっかけに、香港に暮らすネパール人の写真をまとめた本を制作中だ。

ランプを創るワークショップ「Green Light」

 各回ともに、上記の講座の後は、参加者がランプを組み立てるワークショップGreen Lightを体験した。ちなみに、 Green Lightは青信号で「受け入れること」を意味している。

参加者たちは、協力しあってランプを作っていた

 多面体のユニットは組み重ねて使うこともできるため、単体だけでなく複数を組み合わせて建築的、彫刻的な形状を作り出すこともできる。

 ランプの組み立てが進むにつれ、展示会場は、複数の人のコラボレーションと対話によって作り出された空間へと変化していった。

 参加者は初対面の人たちと協力しながら、ランプを製作。新しいコミュニケーションの形を体験していた。                                        

うす暗いなかでのワークショップ会場は、独特の空間になっていった。

     (取材・いとう啓子 “得る”Cafe事務局)

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