こんにちは、山木戸です。
第4回目は、ライフステージの課題を乗り越えるために、【自らの新たな可能性を拡げる自己分析の枠組み】を活用します。
第3回で説明したように、人間には4つの心の領域があります。
下の図のように4つの領域に分類することで、自分からみた自分と、他人からみた自分にズレがあることがわかります。世間と自分との間の自己理解のズレに気づくことができます。
このことを理解したうえで、お互いの認識のズレをなくしていく方法を考えていきます。
周囲の人の認識を否定せずに受け入れて行くプロセスが、ズレをなくし、中年期のコミュニケーション能力の発達を促します。
周囲の意見を取り入れることで、無意識に行っていた行動も変わります。必然と感じていたそれまでの考え方も変化してきます。自分では気づかなかった自分の新しい可能性の発見につながります。
そのためには、(図のⓐの部分)聞き上手になってフィードバックを受けて「①気がつかない領域」を狭くし、(図のⓑの部分)率直な自己開示に挑戦して「②隠した領域」を狭くして、「③開放した領域」の部分を拡げて行きます。
「③開放した領域」を拡げる行動を起こすことで、自分自身が気づいていない(図の©の部分)「④未知の領域」を狭くすることでき、新たな自分の可能性をさぐることができます。
自覚できていない「④未知の領域」を狭くするためには、ストレスを避けずに少し無理した挑戦が必要です。
TBSのテレビ番組『情熱大陸』の中で、タレント・モデルのりゅうちぇる君は「ちょっと無理した挑戦で鍛えられる時間があった。『自分が知らない,知らなかった自分に出会う』ことができるかもしれないと思って挑戦した」と、積極的に自分をオープンにする意味を語っていました。
プロ野球元監督・野村克也氏の教えの中に、「自分の中には自分の知らない自分が隠れている、まだ会ったことのない自分をみつけるんだ」 という未知の領域を切り開き、チャレンジを促す言葉があります。
具体的に考えてみますと、『定年後の60代を充実させるために、50代にやっておくべきことは?』という課題を考えた場合、4つの心の領域を使って自己分析に取り組み、早いうちから自分自身を意識して見つめ直してみましょう。
そうすれば、「今の自分には何ができて、何ができないのか」ということを自覚し、新たな自分の可能性をさぐることができるようになるでしょう。
次回は、少し話題を変えて「中年期以降の『年齢と幸福度』の関係の特徴」について考えてみたいと思います。
●第3回 新たな可能性を拡げる自己分析の枠組みを活用するはこちらから
山木戸 啓治 Keiji Yamakido
<プロフィール>
上級生涯生活設計コンサルタント
一級ファイナンシャル・プランニング技能士
CFP(日本FP協会)
社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員
平成15年より、ファイナンシャル・プランナーに就任し、生涯学習センター・公民館・大学の公開講座などで生涯経済設計の講師を務め、平成16年度・17年度には福山大学経済学部客員教授を兼務すると共に、企業の退職準備ライフプランセミナー、及び地方公務員の退職準備・生活充実ライフプランセミナーなどで講演活動を行う。
平成22年7月に定年退職し、その後も継続してライフプランセミナーの講師として活動中。
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