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スポーツと健康の関係、ヘルスプロモーションとは

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平成29年度東洋大学ライフイノベーション研究所シンポジウム
「運動・スポーツと健康寿命の延伸」

●ざっくり、こういう内容です・・
・スポーツをすると健康寿命が延びる
・地域全体に働きかけると効果的
・基礎代謝について
・褐色脂肪組織とは
・セルフモニタリングについて
・ヘルスプロモーションは市民から


  11月8日(水)、東洋大学白山キャンパスで、平成29年度東洋大学ライフイノベーション研究所シンポジウム「運動・スポーツと健康寿命の延伸」が行われた。

 教員および、研究者など約50名が同シンポジウムに参加し、有識者3人による講演が行われた。

“得る”Cafeでは、概要をレポートします。
詳報は、「社会教育」誌2月号に掲載される予定です。

同イベントの告知ページ

東洋大学ライフイノベーション研究所のサイト

 

基調講演1
地域で運動スポーツ実践者を増やすには? 
-ポピュレーションアプローチへの挑戦-
公益財団法人 明治安田厚生事業団 体力医学研究所 甲斐裕子

●スポーツと健康寿命

 甲斐先生は、実際の調査結果を元にスポーツと健康寿命の関係を説明した。主な内容は下記の4つのポイントで、スポーツが健康寿命に効果的であることが示された。

明治安田厚生事業団 体力医学研究所の甲斐先生

 ・週150分以上の運動が長生きにつながる

 ・運動は認知症になる危険性を2~4割少なくする

 ・運動すると、要介護になるリスクが低下する。

 ・仲間と一緒に運動することが効果的。

 

●ポピュレーションアプローチについて

 ポピュレーションアプローチという地域全体に働きかける手法について解説した。

 実際に地域で、実践研究を行った事例が紹介された。
 運動ボランティアを養成して、地域でラジオ体操を行うなどの活動を行った地域と、具体的な活動をしていない地域を比較した。
 調査結果により、スポーツ活動を行った地域では日常的に運動する人が増加し、健康状態もよくなったそうだ。 

 しかし、ポピュレーションアプローチにより、運動する人としない人の健康格差が広がる懸念がある。特に、生活水準により健康格差が広がらないような、傾斜をつけたユニバーサル・アプローチが大切だと話していた。

基調講演2
エネルギー消費からみた生活習慣病予防対策
 医薬基盤・健康・栄養研究所 田中茂穂

医薬基盤・健康・栄養研究所 田中先生

 基礎代謝量や、エネルギー消費、1日における身体活動についてなど、田中先生から専門的な話があった。

●基礎代謝量について

 基礎代謝とは、生きていくために最低限必要な生命活動、内臓を動かしたり体温を維持したりするなどに使われるエネルギーのことだ。 

基礎代謝量は、1日当たりの総エネルギー必要量の約6割を占め、体重・身体組成などからある程度正確に推定できる。

 一般の人は、スポーツなどの身体活動によるエネルギー消費は少ない。座ったり立ったり仕事したり、家事をしたりすることで消費するエネルギーの方が圧倒的に多いという。
 しかし個人差もあることから、坐位などの日常生活のエネルギー消費を計測することは難しいが、最近では研究が進められているそうだ。
 
褐色脂肪組織

約50名の関係者が集まった

 褐色脂肪組織は、エネルギー消費を活性化させるといわれていて、最近注目されている。
 褐色脂肪組織のある成人は、冬の寒冷刺激による熱産生が大きいなどのデータがあるそうだ。肥満、糖代謝への効果が期待されている。

●セルフモニタリング

 最近、身体の状態を計測できるIT機器やスマホのアプリなどがあるが、メーカーにより、かなりデータにばらつきがあることが懸念される。
 とはいえ、血圧、体重の変動、歩数、活動量などを記録することによる、個々の健康管理が期待されている。
 セルフモニタリングは、身体状態への気づきにつながるため重要であると話していた。

講演 
ヘルスプロモーションとコミュニティ・ビルディング
ライフデザイン学部健康スポーツ学科教授 齊藤恭平

●ヘルスプロモーションについて

ライフデザイン学部健康スポーツ学科教授 齊藤先生

 まず、ヘルスプロモーションについて説明した。
 ヘルスプロモーションとは、専門家・行政から住民・対象者へ向けてトップダウンで行うことではなく「人々が自らの健康をコントロールし改善できるようにするプロセスである」と、1986年に世界保健機関によって作成されたオタワ憲章を紹介した。

 日本のヘルスプロモーションには、「健康日本21」がある。しかしながら、高い理想とは裏腹にこのプロモーションがうまく進んでいるとは言えないだろう。

●健康への巻き込み

 個人→集団→地域と巻き込み、健康なまちづくりをするにはどうしたらいいか。
 齊藤先生は埼玉県飯能市で実践した事例をもとに説明した。
 飯能市では、ウォーキングマップを作成してウォーキングイベントなどを開催。ウォーキングを楽しむ市民を増やしたそうだ。
 市民が主体的にこの活動に参加し、地域を歩いて健康づくりをしながら、地域づくりへと発展させていった。
 
成功の理由として下記の5つを挙げた。

 1、住民参加を楽しめる委員の雰囲気
 2、Win-Win を考えられる関係者
 3、環境や風土に合った健康戦略
 4、世代や地域を超えたセッション
 5、会長、部長、市長のリーダーシップ

 このようなコミュニティビルディングをするには、問題解決から入るのではなく、地域づくりなど理想をスタートとすること、保健関係者だけでなく、さまざまな人を巻き込むことが大切であると話していた。

(取材・まとめ “得る”Cafe事務局 いとう啓子) 

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