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人を「本」に見立てて読書するイベント&暗闇カフェ@明大中野

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ざっくり、こんな内容です

・人を貸し出す図書館とは
・マイノリティの方への固定観念や偏見を減らすことが目的
・ステージ4のがん患者で38歳のパパに会う
・直接、話を聞くことのインパクト
・目隠しして楽しむ「暗闇カフェ」


ヒューマンライブラリーとは

 ヒューマンライブラリーとは、2000年にデンマークの野外ロックフェスで誕生した「人を貸し出す図書館」。

エントランスに貼られていた本の方たちのあらすじ クリックで拡大(提供:明治大学横田ゼミ)

一人の人を「本」と見立て、来場者である読者に30分間貸し出される。そして、一対一で「本」の人の貴重な経験を聞くというイベントだ。

マイノリティの方への固定観念や偏見を減らすことを目的としており、現在、ヨーロッパやアメリカを中心に90カ国以上で広く行われている。

明治大学国際日本学部横田ゼミナールは、ヒューマンライブラリーを2009年に始めた。

9年目の今年は、11月26日に明治大学中野キャンパスで開催された。32人の「本」の人が参加し、300人以上が読者になった。
今年のテーマは、「その1ページが人生(セカイ)を変える」

義足体験

今年は、障がい者、LGBT、統合失調症、全身タイツ愛好家、義足の起業家など、さまざまな人たちが、「本」となって読者へ体験談や思いを語った。

そのほかにも、暗闇カフェ、盲導犬・手話体験、義足体験、幻聴・妄想かるた、障がい者のアート作品や、2016年に「本」となった方たちのポートレートとあらすじの展示などもあった。

筆者は、読者になって「本」の方のお話を聞いた他、暗闇カフェも体験した。

明治大学ヒューマンライブラリーのHP

ヒューマンライブラリーの“得る”Cafe告知ページ


ステージ4のがん患者で、38歳のパパに会う

キャンサーペアレンツの西口さん

 貸し出された「本」の方は、ステージ4のがん患者である西口洋平さん。見たところ健康そうで、元気なサラリーマンにしか見えなかった、それもそのはず。病にもめげずに精力的に活動されている方だった。

西口さんは、幼い娘を持つ38歳のお父さん。人材会社の営業マンとして精力的に働いていたが、2015年2月にがんと宣告されてしまう。
手術したり治療を受けたり、最初の半年間は、さすがに落ち込んでいたそうだ。

しかし、その後、西口さんは「このままではいけない」と思い立ちアクションを起こす。

仕事や生活に関する情報を伝えあい、お互いに支えあう「キャンサーペアレンツ~こどもをもつがん患者でつながろう~」というグループを作った。

西口さん自身、30代、40代のがん患者は仕事をどうしているのか、子どもに知らせているのか、などを知りたかったという。この年齢のがん患者は多くないために、情報があまりなかったそうだ。

学生と本の方々の集合写真 クリックで拡大(提供:明治大学横田ゼミ)

西口さんは「がんと宣告されてからのほうが、前向きに生きられるようになったんです」と語っていた。

さらに、西口さんの活動は発展し、2016年9月に一般社団法人キャンサーペアレンツを設立した。

キャンサーペアレンツは、情報交換や支えあいをするだけのグループではない。企業と組み、がんの人たちのための商品開発などで事業化することを目指している。

「がんの人たちの声を反映させた商品を開発したい。在宅でもできるような、がん患者でもできる仕事をつくりたいんです」

大変な病を抱えているとは思えない情熱で、西口さんは会社の業務、がん治療をこなしながら、キャンサーペアレンツの活動にエネルギッシュに取り組んでいる。
 
キャンサーペアレンツのHP

直接、話を聞くことのインパクト

 ヒューマンライブラリーの参加者は、学生からシニア層までかなり年齢層は広かった。

2016年の本の方々のポートレートとあらすじ

 同イベントの目指すところは「社会における偏見や差別をなくすために、まず”知る”こと」とある。

 自分が接したことのないマイノリティの人たちについて知るには、書籍を読む、テレビのドキュメント番組や映画を見る、講演を聞くなど、さまざまな方法がある。
 しかし、どんな思いで生きているのか、当事者から直接聞くことは、他のどんな方法よりもかなりのインパクトがある。

 偏見、差別はいけないと頭で思うことは簡単だ。しかし、本当の意味で、それをなくすためには、直接彼らと接することが第一歩なのかもしれない。

 筆者もまた、西口さんのお話をうかがい、がん患者への思いを新たにしただけではなく、彼のストーリーに大いに刺激を受けた。
 濃い日々を送っている西口さんの言葉は、脳にダイレクトに響いた。


目隠しして楽しむ「暗闇カフェ」

 初めて、暗闇カフェを体験した。

暗闇カフェ。まずは目隠しして迷路を体験する。クリックで拡大 (提供:明治大学横田ゼミ)

 まずは、4人グループになり目隠しして杖を持ち、ナビゲーターの案内にしたがって迷路を体験した。
 前が真っ暗になったとたんに非常に恐怖を感じてしまった。が、なんとかクリアして、カフェの中へ。

 手探りで飲み物、食べ物を口に入れる。見えないわけだから、どんな味なのかいつも以上に感じながら飲んだり食べたり。また、他の人と少し会話もした。

 続いて、テーブルの上に置かれた毛むくじゃらの物(ぬいぐるみ)を触っていった。見えない中、分からない物を触るという体験だ。

障がい者の方のアート作品も展示されていた。

 さらに、お茶代として650円を出すということになり、財布の中のコインを手探りで選んだ。(実際のお茶代は無料)

 約20分の体験だったが、五感のひとつが奪われるとどんな感じなのか、身をもって体感した。味覚や聴覚もいつもとは違う感じで、まったく新しい感覚だった。

 最近は非日常を楽しみたいということで、暗闇カフェや、目隠しして食べるイベントを開催するレストランもあるようだ。
 余談だが、私は500円玉と100円玉を間違えて出してしまった。感触だけで、コインを選ぶのはかなり難しい。(*_*;

(取材・まとめ いとう啓子)

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