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独自のスプーンで、鉛筆の持ち方を教える“すぷうんおばちゃん”


子育てを応援する “すぷうんおばちゃん” 飯塚広美さん

●ざっと、こんな内容です

・鉛筆の持ち方に癖のある子が多い
・31年続けていた教員をやめて起業
・オリジナルのスプーンを作り、特許出願
・ビジネスグランプリで入賞
・幼稚園、保育園などで鉛筆の持ち方を指導

 

プロフィール
 静岡県藤枝市出身。3人の子育てをしながら小学校の教員として31年間働き退職。子育て支援員、NPO法人日本食育学会上級食育指導士、自閉症スペクトラム支援士

鉛筆の持ち方に癖のある子が多い

 “すぷうんおばちゃん”こと飯塚さんは、小学校の教員時代、鉛筆の持ち方に癖があり困っている子が多いことに気づいた。

NPO子どもの生活科学研究会の調査によると、正しい鉛筆の使い方ができる小学生は2割以下に留まっている。小学校入学前に癖がつき、その後矯正される機会はあまりないからだ。

この状態はずっと続き、正しく鉛筆を持てない人の割合は、大学生になってもほとんど変わらないそうだ。

また、幼児の親世代(現在の30代~40代)で正しく鉛筆を持ち使える人は3~4割という。つまり、子どもに教えることはできない。飯塚さんは、この問題を重く受けとめた。

 「小学校入学前に、鉛筆の正しい持ち方を伝えたい」と考え、地元の幼児を相手にさまざまな試みを続けていった。

イベントで持ち方を伝える飯塚さん

そして、幼児期に誰でも持つスプーンの《持ち手》を三角柱に作り変えることを思いついた。
 試しに紙粘土で持ち手が三角柱のスプーンを作って、幼児に持つ練習をさせたところ、多くの子の鉛筆の持ち方がよくなったという。

 スプーンで楽しく食べながら、正しい鉛筆の持ち方の練習ができるのなら、救われる子どもが増えるかもしれない、と思った飯塚さんは起業することを考えた。

教員をやめて起業

ブックフェアに参加していた飯塚さん

 2016年、31年続けていた教員をやめて、起業への準備を開始。同年の9月に行われた第23回東京国際ブックフェアには個人で参加した。
 “得る”Cafeは、その時に飯塚さんに出会い、紹介している。
 ブックフェアの記事はこちら 
 
 その後、起業セミナーなどを受け、着実に準備を進めていった。しかし、スプーンを作ってくれる工場探しや営業、特許出願の準備など慣れない活動の連続だった。当初は肩書がなかったため、話さえ聞いてもらえないこともあったという。

オリジナルのスプーンを作り、特許出願

 それでも諦めずに飯塚さんは活動を続けた。ついにスプーンを作ってくれるところをみつけて、2017年8月に三角スプーンを完成させた。

上側が平ではなく、山型になっている。

三角スプーン

柄の部分が三角柱で、写真のように上側の部分がとがっている。自然に親指、人差し指、中指の3本を使ってスプーンを動かすようになる。

3本の指を使ってスプーンを動かすことに慣れていくと、鉛筆も3本の指で支える正しい持ち方ができるようになる。

3本の指でスプーンを支え動かすことは、お箸の正しい持ち方にもつながっていく。飯塚さんは、このスプーンを5歳頃から使用することを勧めている。

右きき用 三角スプーン

 現在、三角スプーンは、サイト上で販売しているほか、イベントや、セミナー時でも販売している。

左きき用 三角スプーン

幼稚園、保育園などで鉛筆の持ち方を指導

NPO法人子どもの生活科学研究会の一員として都内の小学校で持ち方を教えたことも

 その後、三角スプーンは志太ビジネスグランプリに応募して入賞を果たす。
現在は、藤枝市の紹介で幼稚園や保育園児などを対象に「初めてのえんぴつの持ち方レッスン」なども開催している。

 また、パパやママに鉛筆やお箸の持ち方の教え方なども指導している。

 教員をやめて起業するという、第2の人生への高いハードルを越えた飯塚さん。  

 その飯塚さんが、これまでの活動や思いなどについて寄稿してくれた。
(まとめ:“得る”Cafe事務局 いとう啓子)


子どもの輝く笑顔のために、パパ・ママ・若い先生を応援したい– すぷうんおばちゃん

三角スプーンを使う練習をする

 地元小学校の教員時代、子育てに困っているママ、教え方に悩んでいる幼稚園・保育園・小学校の若い先生たちと出会いました。

 子どもの輝く笑顔のために、パパやママ、先生を応援したいと思い「すぷうんおばちゃん」となりました。

 そして、子育てお助けグッズや、生活技術の紙芝居などを販売しながら、楽しく食べながら、鉛筆を正しく持つための基礎の持ち方が身につく『三角スプーン』の開発を続けてきました

 教員時代に論文化し、特許は出願したけれどなかなか製作してくれるところが見つからず困っていましたが、1年を経て、2017年8月にやっと三角スプーンが完成しました。

 スプーン先は新潟県燕市の斉藤工業さん。柄は、我が静岡県藤枝市が誇る木工作家の「フランク」さんが桜の木を使って桜の木を使って1本1本手作りしてくれています。

 毎月40本限定で必要な親御さんに販売も始めました。

 2017年の志太ビジネスグランプリでアイディアを発表したところ入賞しました。
 その後、藤枝市からの紹介で、市立保育園三園と私立幼稚園一園、また、東京都の保育園で使っていただいています。
 

鉛筆の持ち方を見せる子供たち

 三角スプーンを使って半年たったところで、年長さんに「三角スプーンみたいに鉛筆を持ってみよう」というと、鉛筆をつかんで支えて持つ正しい持ち方ができました。(写真参照)

 現在、藤枝市主催のイベントなどで、3~5歳児がスプーンですくう遊びを通して、若いママやパパに、手の発達と持たせ方教え方を伝えています。
 
 チビッ子が真剣にスプーンですくう様子を笑顔で見守るパパやママの姿が、とても微笑ましいです。幼児の発達段階や、言葉かけの仕方など、おばちゃんのおせっかいな話も一生懸命聞いてくれます。

すぷうんおばちゃんのチラシ

 昨年から、NPO子どもの生活科学研究会の一員となり、お箸の持ち方を子どもや保護者へ伝える普及活動にも参加しています。

 スプーンを使ってくれているおじさんたちから、チビッ子がスプーンを使う写真を送っていただいたり、成長の様子を知らせていただいたりすることがうれしくて、「すぷうんおばちゃん」は、今日もみなさんの子育てを応援していきたいと思っています。

■すぷうんおばちゃんショップサイト

■『すぷうんおばちゃん』ブログ 

三角スプーン右きき用

三角スプーン左きき用

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(飯塚さんより写真提供)

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