第9回 ライフステージの転機に、自らのよりどころになる居場所を開発する

こんにちは、山木戸です。

 第9回目は、「ライフステージの転機に、自らのよりどころになる居場所を開発する」について考えます。

 下図のように、“定年退職後”、あるいは”子供の独立後“という時期にライフステージの転機は訪れます。
(「ライフステージの転機」の図を参照)

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 中年期以降のキャリアデザインのポイントは、30代40代のそれまでの生き方・働き方とは異なるライフステージへ向かうことへの自覚です。

 終身雇用に慣れすぎたせいで、定年後の人生が見えない、「これが自分の目指していた暮らし方だ」という姿が見えなくなっている場合があります。

 キャリアは定年では終わるわけではありません。

 この転機は、個人としての自分を取り戻し、素の自分に戻るきっかけになるかもしれません。
定年退職のようにある時点で仕事から離れることにより、必然的に日々の行動が変わり、心の持ち方にも変化が生じます。

 行く場所が変わることにより、新たな友達が生まれる事もあるでしょう。

 定年後に接する社会は、職場のように評判を気にかける場ではなく、価値観や趣味を共有するコミュニティを大事にする社会です

 また、家庭の生活でも子供が結婚、あるいは就職などを契機に独立して、夫婦二人の生活に戻ったようなケースでも、ライフステージの転機は訪れます。

 子供達を育てるという長期間の共通目標を喪失した後のようなケースでは、その後の家庭生活では、“夫婦をする”というような自覚を持つ必要があります。

<コラム 変化する夫婦の関係>

 夫の退職後に、精神的に不調になる妻がいます。

 夫が毎日、家にいることになって生活のリズムが変わるためではありません。夫が会社時代の人間関係を家に持ち込んでくることの方が、精神的負担が大きいようです。

 会社にいるときのように妻にあれこれと指図します。家庭では対等な存在のはずなのに、部下のように扱われることで、妻は自分が否定されたように感じます。
 その気持ちは夫には伝わりません。

 夫婦の関係は、働いているときから考えておくべきことだといえます。

 ライフステージの転機を迎えた後、これまでの仕事や子育て中心の生活から、自由な時間を持てるようになり、個人を重視する生活に変わります。
 自分の価値観、好みを明確にし、目標を設定することが、今後の人生を豊かにするものと考えられます。

 定年後の人生を楽しく生きるためには、自分の好きな事が何なのかを知ることから始まります。

 好きなことの第一の条件は、長い時間打ち込んでも疲れないことです。
 第二の条件は、そのことについて誰とでも話したいということです。

 “何を重視して暮らしていきたいと思うか”ということから、自らのよりどころになる居場所を開拓します。

 次回は、「人はある年齢で引退するというイメージを払拭する」ということを考えます。


山木戸 啓治  Keiji Yamakido

<プロフィール>
上級生涯生活設計コンサルタント
一級ファイナンシャル・プランニング技能士
CFP(日本FP協会)
社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員

平成15年より、ファイナンシャル・プランナーに就任し、生涯学習センター・公民館・大学の公開講座などで生涯経済設計の講師を務め、平成16年度・17年度には福山大学経済学部客員教授を兼務すると共に、企業の退職準備ライフプランセミナー、及び地方公務員の退職準備・生活充実ライフプランセミナーなどで講演活動を行う。
平成22年7月に定年退職し、その後も継続してライフプランセミナーの講師として活動中。

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