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女子高校生が、自主的にバリアフリー地図作り

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アプリを使って情報を投稿

●ざっくりいうと…
・玉川聖学院高等部の生徒が提案したバリアフリー地図作り
・アプリ「Bmaps」を使って、バリアフリー地図を作成
・車いすに乗って街歩きを体験
・予想したよりも大変だった車いす

 


生徒が提案して実現したイベント

このイベントを提案したふたり

 3月7日(水)、玉川聖学院高等部(女子高)の1、2年の生徒が、東京都目黒区の自由が丘商店街でバリアフリー情報を集める「バリアフリー街歩きイベント in 自由が丘」を行った。

 このイベントは、玉川聖学院高等部と、ユニバーサルデザインの企画・設計や情報収集などを行っている(株)ミライロの協働で行われた。

 特に注目すべき点は、同校に通う車いすを使用する生徒とその友人が提案して実現したということだ。
 玉川聖学院は彼女たちの企画を受け入れ、同校で行っている体験型「アクティブプログラム」の一環として実施した。

 はじまりは去年の秋、同校のOさんが某展示会で(株)ミライロのバリアフリー地図アプリに出会ったことがきっかけだったという。
 
 Oさんは車いすを使用している同級生のTさんと一緒に、自由が丘のバリアフリー地図(写真)を手作りしていた。ふたりは、学校の生徒たちと一緒にアプリを使ってバリアフリー地図を作ることを羽鳥光昭先生に提案し、イベントが実現した。

手作りのバリアフリーマップ クリックで拡大

「最初はできるかどうか不安だった。外に出ると車も走っているし危ない面もあるから。でも、先生が危ないことも知るいい機会だからと言ってくれて。いろんな不安があったけど、実現できて本当にうれしい」とOさんは語っていた。

 また、この活動には、自由が丘商店街振興組合も協力し、自由が丘の案内をボランティアでやっている産業能率大学の学生による「自由が丘案内人セザンジュ」の学生も同行した。

  ●玉川聖学院のHP

バリアフリー地図アプリ

アプリ、Bmaps

 使用したアプリ、Bmaps(ビーマップ)は、(株)ミライロが日本財団の委託を受けて開発された。現在は、特定非営利活動法人CANPANセンターと共同運営している。

 アプリのビーマップを使うと、障害者や高齢者、ベビーカー利用者、外国人など、多様な人たちが外出時に知りたい情報を共有・発信できる。

 地図上に記されたお店などに、入口の段差、通路の広さ、多機能トイレの有無などバリアフリー情報をユーザーが写真と共に投稿していく。
 だれでもユーザー登録すれば、情報を共有でき、投稿することができる。

Bmaps(ビーマップ)の詳細はこちらへ

まずはバリアフリーの現状などを学ぶ

 イベント当日、1、2年生の有志46名が参加して、まずは講義が行われた。

講義を受ける生徒たち

 バリアフリーには環境、情報、意識の3つのポイントがある。スロープやエレベーターという環境が整っていても、それがどこにあるのか情報が伝わることが大事であり、手助けする人の意識も大切なのだ。

 現在、車いすでスムーズに入店できる飲食店は5.4%だという。段差があって入れない、車いす対応のトイレがないなど、どんなトラブルがあるのか説明もあった。

 続いて、アプリ・ビーマップの使い方、車いすの操作方法を学び、車いすに乗る人、押す人などの役割分担を決めた。

 約30分の講義が終わると、いよいよ街へ。当日は真冬のような寒い日だったが、生徒たちは8班に分かれて元気に出発した。

車いすに乗って街歩き

車いすに乗る人、押す人など役割分担して、いざ街へ

途中で話し合う生徒たち。左は羽鳥先生

小さな段差でもひと苦労

自由が丘案内人セザンジュさん(右)もお手伝い

目線が低くなって景色が変わった

教室に戻って投稿を始める

 教室に戻ると、生徒たちはさっそく撮ってきた写真を見ながら、ビーマップに投稿していった。あるグループは30件も写真を撮ったと話していた。
 続いて、班ごとの活動内容の発表タイム。それぞれの班が、投稿した内容をプロジェクターに表示して、気づいたことや感想などを語っていった。

 「思ったよりも段差が大変だった」「目線が低くなって景色が違った」「車との距離が怖かった」など、次のような感想を述べていた。

〇主な感想
・周りの視線が気になった。
・思ったよりも車いすを動かすのは大変だった。
・お店の中で、商品にひっかかりそうになった
・商品を取りにくい店があった
・段差などで、店内に入るのが難しいこともあった。
・店内の通路がせまくて、曲がれなかった
・入口の引き戸は難しい。
・あまりバリアフリーが進んでいないことが分かった。
・エレベーターやスロープは大事だと思った
・自動ドアの大切さを知った。
・トイレとエレベーターが遠かった。
・エレベーターが小さくて、入りにくかった。
・店員さんが助けてくれた。
・エレベーターがあっても、前の段差が大変だった。
・坂道を押すのが大変だった
・トイレに手すりがなかった。

班ごとに感想を発表した。

 発表の後、発案者のひとりで車いすを使用しているTさんが次のように挨拶した。
「みんなの意見を聞いていて、私がいつも思っていることが多くて、すごく共感した。今日は一緒に活動できて本当にうれしかった。みなさんが、何か感じてくれたらうれしいです」

 一緒に提案したOさんは、「車いすを押す側も大変だということを分かってほしいです。今後、ベビーカーを押したりすることはあると思う。今日の経験を将来にいかしていきたいです」と話した。
 
 また、羽鳥先生は「ただ車いすに乗るだけじゃなくて、外に出ると全然違いますね。車いすに乗って街に出るというのはどういうことなのか、実際に感じられたと思う。これがスタートとなって、来年につなげたいです。広がっていけば、優しい街ができますね」とコメント。
 さらに、教師が主導したものではなく、先生が生徒にのせられたイベントだったことがよかったと話していた。

最後にみんなで記念撮影

 最後に学院長の安藤理恵子氏が生徒たちに向かって次のように話した。
「友達と一緒にやっていることで、日常とつながっていることがよかったですね。いつもと逆の体験をすると視点も広がっていく。いろんな人の現実を考えられるようになっていくといいと思います」

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 同行した筆者も、とても明るい気分になったイベントだった。生徒たちはまるで遠足にでも行くような感じで街に出て、楽しそうにバリアフリー情報を集めていた。
 ちょっとした段差に苦戦したり、入れそうに見えた店に入れなかったり。車いすと一緒にでかけるだけで、いつもの街がまったく違って見えることに驚いていた。
 戻ってくると「Tさんってすごいね。尊敬しちゃう」と発案者のTさんは多くの友人に声をかけられていた。
 
 筆者は、ケガしたときに車いすに乗ったことがあり、親が体が不自由なときに車いすを押した経験もある。それでも、今回のイベントに同行して、車いすで外出することの大変さを改めて実感し、バリアフリーの大切さをもっと啓発すべきだと感じた。

(取材・まとめ “得る”Cafe事務局 いとう啓子)

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