子どもの想像×大人の本気のアトラクションイベント
こども美術館「空のへんてこ大りょこう」
●ざっくりいうと…
・子どもが、オリジナルの“物語”を作成!
・物語の内容に合わせた作品がいっぱい
・大人は、子どものイメージに合わせてゲーム製作などでサポート
・子ども×大人 “ガチンコ勝負”で作り上げた空間
2月24日(土)、25日(日)、江東区文化センター(東京都江東区)でNPO法人リンク・スマイルによる「こども美術館」というイベントが開催された。

こども美術館の入口
このイベントは、今回で16回目を数える。特徴的なのは、子どもたちが主体的にテーマを決めて物語を作り、その物語をイメージしながら作品を作っていること。
あくまでも大人は、サポート役に徹している。子どもたちのイメージがさらに広がるように、展示物やゲームを作った。
子どものイマジネーションはすごい
参加しているのは、同NPOが行っている幼稚園前の入園準備クラスや、年少児~小学校低学年の放課後エンジョイクラスに通っている子どもたち65人。
サポートする大人は、表現教室やワークショップを行っている劇団員、美術講師など約30名。彼らは素材を紹介したり、作り方などを伝えることはあるが、あくまでも主体は子どもたちなのだ。
「子どもたちのイマジネーションはすごいので、付いていくのが大変でした」とひとりのスタッフは語っていた。
また、イベント当日は、保護者がボランティアとしてイベントを支えていた。
「空」をテーマに
今年のテーマは「空」。子どもたちは、「空のへんてこ大りょこう 力をあわせたこどもたち」という物語を作り上げた。
会場は、物語に合わせて「街エリア」「雷エリア」「鳥エリア」「宇宙エリア」と続いていく。物語の流れに沿って、各エリアに子どもたちの作品が展示されていて、各所でゲームも楽しめるようになっていた。(図を参照)
また、物語の内容について答えていくクイズ・ラリーも実施していた。
子どもと大人が、本気で作り上げた空間
同イベントの面白さは、子どもと大人が一緒になって創り上げていることだ。それも子どもが主導して、彼らのイマジネーションに刺激を受けながら大人も創造を楽しんでいる。
「(子どもから)イメージだけの“ぶん投げ”が来る。(大人は)必死で考える!そうして形になっていく美術館」と総合プロデューサーの門間秀夫さん(劇団うるとら2B団)
お互いに本気で“ガチンコ勝負”しているからこそ、いきいきとした美術館ができあがったのだ。

NPO法人リンク・スマイルの理事長、古畑さん
筆者は見学しながら、子どもの想像力の豊かさに驚かされたと同時に、スタッフの大人たちが童心に返ったように楽しんでいる姿が印象に残った。
「大人も子どもも一言では語れない自分らしさを持っています。私たちは子どもたちの多様性を受け入れ、子どもの育ちを真ん中に人と人がつながり、大人も子どもも“共に育ち合う”サポートをしています。そのひとつの形がこのイベントです。枠にとらわれない子どもたちの豊かな想像の世界観に浸りながら、子どもたちの想像と創造を本気で面白がり、共に創り上げている大人たちに思いを巡らせ、大人も子どもも楽しい時間を過ごしてほしいです」と同NPO法人の理事長、古畑真弓さん。
また、別の会場では「げいじゅつかになったこどもたち(工作ワークショップ)が行われた。
写真を中心にイベントの様子を紹介します。(取材 “得る”Cafe事務局 いとう啓子)
工作ワークショップ

粘土でフォトフレームを作る

たまごマラカス作り

紙コプターや、くるくる風車を作る