【おすすめ本】ぴっかりカフェの松ユリさん著「学校図書館はカラフルな学びの場」

タイトル 学校図書館はカラフルな学びの場
著者 松田ユリ子
出版社 ぺりかん社
B6判、151ページ
定価 1,500円+税

待ちに待った“松ユリ”さんの本

 “得る”Cafeの中でも、「ぴっかりカフェ」と、カフェを作った学校司書、松田ユリ子さんの記事は、これまで多くのアクセスを集めてきた。
 すぐにシェア数は200を超え、なんと昨年のアクセス数ランキングトップに!

 多くのファンお待ちかね、松ユリ(松田さんの愛称)さんの著書が出版された。これまでの活動などが赤裸々に綴られた著書は必見です。
 
 松ユリさんファンのひとりとして、筆者もわくわくしながらページをめくっていった。

青春学園ドラマのような生徒&松ユリ物語

 前半部分は、神奈川県立柿生高校、海老名高校などでの生徒との活動が綴られている。
 音楽雑誌のような冊子「music on」や、個性的な図書館報を作ったこと、ミニコンサートやイベントを開催したことなどのエピソードは、まるで青春学園ドラマを見ているようだ。

 松ユリさんらしい小気味いい文章で、とても読みやすく、臨場感が伝わってくる。と同時に、彼女が「生徒のやりたいに応え、支える」という立場をすごく楽しんでいる様子が伝わってきた。

癒しの場所、図書館

ぴっかりカフェ(2017年9月撮影)

 後半には、学校図書館や学校司書の役割について、学びをファシリテートする方法などを、松ユリさん独自の視点で解説している。

 さらに、図書館を利用していた生徒や教師から寄せられた感想も紹介されている。
 卒業生の中には、図書館で過ごした時間がその後の人生を変えるほどの影響があった人も多い。

 また、図書館が癒しの場所だったと言う教師の話も面白い。

多様性を守ることが鍵
 
 松ユリさんは、これまで携わってきた学校図書館について「多様性が守られている場所」「目的フリーの場所、居場所」「安心して自分を表現して、他者とつながれる場所」など、さまざまな表現で、その独特な空気感を伝えている。
 
 特に印象的だったのは「多様性が守られている場所」ということ。多様性が守られている場所だからこそ、“多様な学び”が可能になったのだ。

 読んでいるうちに、どうしたらこのような図書館が作れるのか?という疑問が膨らんできた。この疑問に対して、彼女独自の方法論を丁寧に解説している。

 すぐに居心地のいい学校図書館ができるほど、簡単なことではない。それでも、彼女が大事にしている自由なスピリットを感じとり、さまざまなヒントを得ることができる。

地域の居場所づくりの参考にもなる

 松ユリさんの図書館は、学校の中のオアシスのような所なのだろう。生徒も先生も、みんながフラットな立場になる、ゆるやかな場所。

 自分の“素”を出せる空気があり、それでいて人や情報が行きかう、刺激のある居場所なのだ。

 読んでいるうちに、地域社会にもこのような場所があればいいのに、と思ってしまった。上下関係や肩書、年齢、性別、国籍などに関係なく、市民が自分を表現して他者とつながれる居場所があったらいいのに。
 最近は、あちらこちらで、そんな居場所ができたり、また作ろうとしている人も多い。

 市民の居場所づくりに興味のある人、または作りたい人にとっても、この本は大いに参考になるに違いない。

(まとめ “得る”Cafe事務局 いとう啓子)

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インタビュー
「マインドはロック!」 学校図書館にぴっかりカフェを作った松田ユリ子さん

レポート
学校図書館がコミュニティ空間へ 神奈川県立 田奈高校「ぴっかりカフェ」

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