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第12回「お金の不安」編 その2 生涯経済プランのための3つの視点

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 中年期以降の生涯経済プランをどのように設計すべきなのかを、明らかにしていきます。

 生涯経済プランを、(1)「はたらく」、(2)「せつやくする」、(3)「そなえる」という3つの視点から具体的に考えていきます。(下図を参照)

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 今回は、【はたらく】という視点を考えてみます。

最も有利なのは「公的年金」

 中年期以降の生涯経済プランを設計する上で、”退職後も豊かな生活を送るための資金をいかに捻出するか”という課題があります。

有利なのは公的年金

 60歳を過ぎて、50代までに得ていた収入を確保することは容易なことではありません。生涯経済プランを設計する上では、公的年金が重要な役割を果たします。

 公的年金は終身受け取ることができるので、どんなに長生きしたとしても死ぬまで受け取ることができます。

 公的年金は、日本に住んでいる20歳以上60歳未満のすべての人が加入する 「国民年金」と、会社などに勤務している人が加入する「厚生年金」の2階建てになっています。

 「国民年金」は、20歳以降60歳までの40年間定額制の保険料を支払って加入することで、満額の779,300円(平成30年度)を受け取ることができます。国民年金に加入して支払っている国民年金保険料の半分は、国の負担で税金から支払われています。

 「厚生年金」は、国民年金に上乗せされて給付される年金です。

 国民年金の金額に、厚生年金の受け取り額が加算され、合計金額をもらうことになります。会社などに勤務している人が支払っている厚生年金の保険料は、毎月の給与(標準報酬月額注1)と賞与(標準賞与額注2)に18.3%の保険料率をかけて計算されます。

 注1 標準報酬月額:4月、5月、6月に支払われた時間外勤務手当のほか、通勤手当等の諸手当を含む報酬をもとに、月額平均を算出したものです。

 注2 標準賞与額:期末手当、賞与などの、労働の対償として支払を受けるすべてのもののうち、3か月を超える期間ごとに受けるものをいいます。

 厚生年金保険料は労使折半ですので、半分は雇用主が、もう半分は会社などに勤務している人が負担しています。

 公的年金は、民間金融機関の年金を含めて比較しても、最も有利な年金といえます。

支払った年金の保険料は、10年で取り返せる!

 例えば、国民年金に加入して支払った年金保険料は、65歳から受け取りを開始した場合では、75歳までの約10年間で、それまで保険料として納めたお金をほぼ年金として受け取ることができます。

 それ以上長生きして受け取る年金は、丸ごとオトクということになります。

「約10年間」で払った保険料を受けとれる!

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  注 月額保険料16,340円(平成30年度)×12か月×40年間=7,843,200円
 
受け取る年金額を増やす方法がある!

 もうひとつのポイントは、公的年金は通常65歳から受け取りが開始されますが、受け取り時期を遅らせる代わりに年金額を増額できる制度があります。

 この制度を「年金の繰下げ受給」と言います。その際のメリットは、最大60ヶ月(5年)年金受け取り開始時期を繰下げて受け取りを請求することで、年金額を最大42%も増やすことができます。

 増加率=月数×0.7%  60ヶ月×0.7%=増加率42%

もらう年金を増やそう!

 繰下げ請求は、月単位で年金額の増額が行われることになります。その増額率は一生変わりません。繰下げを開始して1年以上たちますと、その翌月から増額された年金を受け取ることが可能になります。

 繰下げの手続きは、簡単です。

 65歳になると日本年金機構から「年金請求書」が送られてきます。この請求書の「老齢基礎年金のみ繰下げ希望」、または「老齢厚生年金のみ繰下げ希望」に○をつけます。あるいは老齢基礎年金と老齢厚生年金を同時に繰下げする場合は、年金請求書を提出する必要はありません。

 ”はたらく”ことで収入を得ることができれば、公的年金の受け取り開始時期を65歳以降、70歳まで繰下げることができ、最大42%増額のメリットを生かすことができます。

 さらに、厚生年金には、70歳まで加入することができます。継続して厚生年金の被保険者として“はたらく”ことで保険料を納めて、受け取る厚生年金を増やすこともできます。

 これからの生涯経済プランの設計で重要なことは、70歳に向けて継続して働くことができる自分を創ることです。

 健康で長く”はたらく”ために必要なことは、「得意なことで気持ちよく稼ぐ」という意識を持つことです。得意分野で気持ちよく稼ぐことができれば、”はたらく”ことこそ『人生の楽園』といえます。

 『人生の楽園』を実現するための準備こそ、最も重要な自己投資であると考えるべきではないでしょうか。

 次回は、その3 生涯経済プランの(2)「せつやくする」という視点を考えていきます。


山木戸 啓治  Keiji Yamakido

<プロフィール>
上級生涯生活設計コンサルタント
一級ファイナンシャル・プランニング技能士
CFP(日本FP協会)
社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員

平成15年より、ファイナンシャル・プランナーに就任し、生涯学習センター・公民館・大学の公開講座などで生涯経済設計の講師を務め、平成16年度・17年度には福山大学経済学部客員教授を兼務すると共に、企業の退職準備ライフプランセミナー、及び地方公務員の退職準備・生活充実ライフプランセミナーなどで講演活動を行う。
平成22年7月に定年退職し、その後も継続してライフプランセミナーの講師として活動中。

山木戸先生へのお問い合わせは、こちらへ

第16回「お金の不安」編その6「せつやく」“傷病手当金”

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