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第15回「お金の不安」編 その5「せつやく」“医療保険を見直す”

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 第15回「お金の不安」編 生涯経済プランの3つの視点の「せつやく」その5として「健康保険を活用して、医療保険を見直す」ことを考えてみます。

 サラリーマンは健康保険組合に加入しているだけでなく、民間保険会社の医療保険にも加入した方がいいのでしょうか?
 この問題について、「絶対的な正解」はありません。

 医療保険に加入する際には、費用対効果を検討した上で、加入すべきかどうかを判断することが大事です。

高額な医療費を支払ったときは、高額療養費制度

 高額な医療費を支払ったときは、健康保険の「高額療養費制度」を活用しましょう。

 医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が1か月で上限額を超えた場合、超えた額を支給するのが「高額療養費制度」です。

 さらに、高額療養費を申請する月以前の直近12か月の間に、高額療養費の支給を受けた月が3か月以上ある場合は、4か月目から「多数該当」という扱いになり、自己負担額が軽減される制度もあります。

 入院するなどで、「高額療養費制度」を利用したいときは、「限度額適用認定証」の取得をおすすめします。
 医療費が高額になったとき、「限度額適用認定証」を病院などの窓口に提示すれば、請求される医療費が自己負担限度額までとなります。

 「限度額適用認定証」を保険証と併せて提示すると、1ヵ月目から支払いが自己負担限度額までとなります。後から払い戻しを申請する必要はなくなります。
 この「限度額適用認定証」は、健康保険組合の窓口に申請すると発行してもらえます。

医療費が300万円かかったとき、合計支払額は?

 医療費の自己負担額は、年齢や所得に応じて違います。

 例えば、68歳で年収370万円から770万円の方が、月初めから30日間入院して総額300万円の医療費がかかったとします。
 このケースでの医療費の自己負担限度額を計算してみます。

クリックで拡大

 69歳以下の方で、年収370万円から770万円の方の自己負担限度額は、
①1ヵ月間の医療費の自己負担限度額は、医療費総額267,000円まで。
  自己負担限度額までの医療費負担は3割。
  267,000円×0.3=80,100円となる。

②1ヵ月間の医療費が267,000円を超える場合は、超えた分の1%を負担。
  (3,000,000円-267,000円)×0.01=27,330円
 1%負担額は、27,330円

医療費の自己負担額は、①と②の合計で、
 80,100円+27,330円=107,430円となる。

 その他、入院中の食事代として、標準負担額460円(一食につき)の30日分の41,400円が加わります。

 医療費の107,430円、および食事代の41,400円を加えても、148,830円で支払いは完結します。

 1ヶ月程度の入院が家計に及ぼす影響は、それほど大きくないと考えられます。
 保険に加入する場合は、本当に困るところだけ保険に加入することを心がけましょう。

貯金か、医療保険に入るか?

 例えば、医療保険料を支払うつもりで、毎月2万円を貯金します。すると、1年間で24万円、10年間で240万円、20年間では480万円を貯金することができます。

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 これだけの貯蓄があれば、民間の医療保険に入っていなくても、健康保険があるのでたいていの医療は受けられます。
 医療保険に入った場合は、契約で決まった範囲の治療にしか使えないお金になってしまいます。

 積み立てられた貯金こそが、万能な保険になる可能性もあります。

 「保険に加入する」「貯金する」、どちらが今の自分にとって合理的なのか、再度考えてみましょう。

 次回は、「せつやく」その6として「健康保険の傷病手当金」について考えてみたいと思います。

 ●コラム「差額ベッド代」は、患者の同意がないと請求できない

 厚生労働省は、2018年3月の保険医療機関への通知で、『患者の選択ではなく病院の病棟管理の都合では、差額ベット代を請求できない』と明記しました。
  
 つまり、「差額ベット代のかからない通常のベッドの空きがなかった」とか、「病気の種類や症状の都合で個室に移動させた」など、「病院側の都合では差額ベット代は請求できない」ということです。

 入院が必要なのに「差額ベッド代の支払いが嫌なら他の病院へ行ってください」と言われたら、厚生労働省の通知について病院側に説明しましょう。「病院の都合で差額ベット代の徴収は不適切」と厚生労働省は指摘しています。

 これまで、入院費用の多くを占めていた差額ベッド代について、患者側が希望しない限り徴収されないことになりました。

 患者の入院費負担は、大幅に軽減されました。


山木戸 啓治  Keiji Yamakido

<プロフィール>
上級生涯生活設計コンサルタント
一級ファイナンシャル・プランニング技能士
CFP(日本FP協会)
社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員

平成15年より、ファイナンシャル・プランナーに就任し、生涯学習センター・公民館・大学の公開講座などで生涯経済設計の講師を務め、平成16年度・17年度には福山大学経済学部客員教授を兼務すると共に、企業の退職準備ライフプランセミナー、及び地方公務員の退職準備・生活充実ライフプランセミナーなどで講演活動を行う。
平成22年7月に定年退職し、その後も継続してライフプランセミナーの講師として活動中。

山木戸先生へのお問い合わせは、こちらへ

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