ブログ「不登校がなくなる魔法の薬」作者 保護者サポーター蓑田雅之さん

保護者サポーター蓑田雅之さん
不登校は怖くない!
子どもは、自分で考えて行動できる

ざっくりいうと
・子どもの力を信じて任せる
・子どもがオルタナティブスクールへ、勉強する意味とは?
・子どもの人権を尊重しよう
・親がマインドをチェンジすること

蓑田さん


 ブログ「おはなしワクチン」の作者、蓑田さんにお話をうかがった。
 蓑田さんは、フリーランスのコピーライターとして仕事をしながら、保護者サポーターとして講演やブログの活動を行っている。

 蓑田さん自身のプロフィールを聞いてみると、実は、大学卒業時に十数社の就職試験を受けるも不合格。その後、当時まだ新しい職業だったコピーライターを知り、コピーライターを養成する専門学校に入学。卒業後に数社で勤務しながら修行して、フリーのコピーライターになったそうだ。

 「組織は苦手」という蓑田さん。今もフリーランスとして、広告や企業のPR誌などでお仕事をされている。
 蓑田さんが保護者サポーターになるきっかけは、今年で18歳になる息子さんの存在だった。
 ブログ「おはなしワクチン」を始めた経緯や、保護者の方々に伝えたいことなどをうかがった。


子どもの力を信じて任せる

●子どもが授業、先生もないサドベリースクールに通う

「うちの子どもは小学校2年までは普通の公立に通っていました。公立校も悪くはなかったのですが、よりよい教育を受けてほしいという思いで、3年から探求型学習をしている東京コミュニティスクールに転校しました。

 中学は、私立や都立なども見学しましたが、サドベリースクールを選びました。ここは授業もなくて、先生もいない学校です。基本的に子どもが行きたいところに行かせたかったので、子どもがサドベリースクールに行きたいというので行かせました。

 サドベリースクールに行っている息子を見ていたら、授業もないので勉強しないし、ゲームばかりやっていました。そのときに初めて勉強しなくて大丈夫か?サドベリースクールとは?授業をやらなくて成立しているのか?学校とは何だろう?など真剣に考えるようになったのです。

 うちの子は ゲーム三昧で勉強していませんでしたが、見ているととてもポジティブでした。自分で選んだ学校に行っているし、ゲームばかりしていてもいいわけで、親もいいですよという感じだったからです。登校時間も自由だから、朝10時でも平気で歩いて学校に行っていました」

〇学校の勉強が必要なのか?

「そんな子どもを見ていて、勉強をしないと大人になれないのかということも考えました。周りを見ると、勉強しないで生きている人はいっぱいいます。花屋さん、豆腐屋さん、喫茶店の人。いろんな職業があるけど、半分くらいは学校の勉強はいらないのです。読み書きなど基本的なことができれば大丈夫です。

 それなのに99%くらいの人は高学歴を求めています。高学歴を使っている職業は1割くらいで、就職したいがために学歴が必要ということです。つきつめると就職できればいいということになります。

 実は、大学を出てなくても、就職はいくらでもできます。そう考えると、別に大学を出てなくてもいいし、学校に行かなくても生きていけるはずなのです。あらゆる思い込みが子どもを苦しめているということに気が付きました

〇子どもが勉強に目覚めた

「子どもに『勉強しろ』と言いたいときもありましたが、言わなかった。そうしたら、中学2年くらいのときに自分でやばいと思ったのか勉強をし始めて、1年くらいで3年分の勉強に追いつきました。何も言わなくても夜まで勉強していました。
 子どもを見ていて分かったのです。大人があれこれ指図しなくても、子どもは必要性を感じたらやるのです。
 勉強でなくても他のことでもいいのです。例えば釣りにのめりこんでもいい。そうすれば釣具屋さんに就職できると思う。
 自分が好きなことを自分で勝手にやってくれればいいかなと思いました。そうすると親は何もすることがなくなります。任せられた人間は何でもやるのです。子どもに任せないからやらないだけなのです。
 思い切れない親御さんは多いのですが、私は『そうか、子どものことで心配する必要はなない』と思い切れたのです

子どもの人権を尊重しよう

〇親が子どもを支配している

「その後、考えが深まって、人権問題だと思うようになりました。親が子どもを支配している、親が思っていることを押し付けている。このことで、子どもの人権が阻害されていると思ったのです。

 例えば、子どもがずっとダラダラしていたらどうするのだと言われるが、ダラダラしている人は生産性がないから生きている資格がないのかというと、人権的な考えからそれはおかしいのです。
 どんな人でも生きる権利がある。活躍してお金を稼いでいる人も、引きこもっている人も、生きているだけで平等にリスペクトされるべきだと思います。

 親として子どもがダラダラしていて許せないのは、そういう思いが欠けていると思います。自分の子どもが引きこもっていてだめというなら、よその子も引きこもっているとだめということになる。ホームレスは最悪ということにもなる。基本的人権の観点からいったらおかしいのです。犯罪を犯さないかぎりはどんな生き方でもリスペクトされるべきだと思います。

 そう考えて腑に落ちると、子どもがどういう状態でも心配ないわけです。健康である限り生きていればいいと思うようになります。勉強しようがしまいが、ゲームやろうがやるまいが、それは子どもが自分で考えるべきです。そう考えれば、不登校なんて何も怖くないです

〇入学前の人に伝えたい

「3年くらい前に、不登校になるくらいなら、オルタナティブスクールに行きましょう、無理に学校に戻らなくても、サドベリースクール、フリースクールもあると伝えたくて、おはなしワクチンの活動を始めました。

 不登校になって、学校に行くの行かないので揉めると、子どもはどんどん元気を失っていきます。学校に行けないということで、子どもの自尊心が傷ついていくのです。

 だから、できれば不登校になる前に、学校だけが学びの場ではない、オルタナティブな学びがあるということを知っておいてほしいのです。そうすれば、万一小学校に入ってお子さんが不登校になっても慌てなくてすむからです」

親がマインドをチェンジすること

〇親が子どもを苦しめている?

「不登校の問題に関わるようになって分かったことは、親がどこかの段階でマインドをチェンジすると、子どもは本当に楽になること。親が難しい顔して心配していると、子どもも元気がなくなっていきます。親が前に言ったような心境、何とかなるでしょうというモードに変わると、子どもは意外と元気になる。そういうことが分かりました。

 2017年末からブログ「おはなしワクチン」を始めたのですが、内容もだんだん変わってきて、今は親のマインドを変えたいと思うようになりました。
 親の抑圧、過剰な期待とかが子どもを苦しめていることが多いのです。

 子どもはきちんと物を考えている。その考えをリスペクトしてほしいです。
 『子どもは何も分かっていない、未熟でしょ』みたいな考えは間違っていると思います。子どもはよく見ているし、自分で選ぶ力を持っているのです

〇小学校に行くと変わる親

「幼稚園のときまでは、親は子どもを褒めますよね。折り紙ができて偉いとか。それが学校に入った途端に変わります。それができなくてだめじゃないか、漢字のはねができてないからバツだとか。

 親がネガティブモードになってしまって不登校になってしまう子も多いのです。『~だめ、~なさい』のふたつになってしまうのです。
 幼稚園のときに褒めていたモードでずっといいと思うのに、途中でなぜ変わってしまうのかなと思います」

〇生きやすい社会に

「私が言いたいことは、子どもの人権を守ること。子どもの親からの解放です。そして、日本がもっと生きやすい社会になってほしい、そう思っているのです。先入観に縛られず、もっと自由にものを考えて、緩めれば楽になると思います。

 私は専門家ではないので相談は受けないのですが、単なる個人として教育関係の団体のイベントなどに自由に行けます。今後は、いろんな団体をつなげるようなこともできればいいなと思っています」

ブログ「おはなしワクチン」はこちらへ

(まとめ・取材 得る”Cafe”管理人、a-Nest会長 いとう啓子)


 

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