第27回「 老後資金」対策:ゆとりある老後生活のための費用とは

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公的年金以外に、いくら必要なのか?

 前回第26回「老後資金」対策では、総務省の「全国消費実態調査」のデータを元に考えると、平均的なサラリーマン世帯でも身の丈に合ったシニアライフを送れることがわかりました。

 ではなぜ、老後の資金計画を考えるサイトなどに「ゆとりある老後生活のために必要な資金は5千万円」書いてあるのでしょうか?
 そのわけを探ってみます。

ゆとりある老後生活費用とは

 生命保険文化センター 令和元年度 生活保障に関する調査「ゆとりある老後生活費」(注)のデータから、ゆとりある老後生活費用を考えます。

(注)生命保険文化センター 令和元年度「生活保障に関する調査」を参照

 令和元年度の生活保障に関する調査では、夫婦2人で老後生活を送る最低日常生活費は、平均月額22.1万円となっています。

 この「老後の最低日常生活費」に、「老後のゆとりのための上乗せ額」を合計した金額を「ゆとりある老後生活費」としています。

 「老後のゆとりのための上乗せ額」は、18歳~60代までにアンケートを行い、老後のゆとりのための欲しい金額を調査して出されました。
 「老後のゆとりのための上乗せ額」として希望した金額の平均は、月14万円でした。

 また、上乗せ額の使い道は、旅行・レジャーがトップで、趣味・教養、日常生活費の充実、身内とのつきあいと続いています。

公的年金以外に、5000万円必要?

 それでは、ゆとりのある生活を送るために、公的年金だけだといくら不足するのでしょうか?
 老後生活期間を30年と仮定して、専業主婦世帯の夫婦2人の公的年金収入だけでは不足する金額を計算します。

 「ゆとりある老後生活費」のデータから、ゆとりある老後生活費は平均月額は36.1万円となっています。

 専業主婦世帯の平均年金月額は約23.8万円です。(厚生労働省「公的年金財政状況報告」平成30年度)

(注)公的年金財政状況報告(平成30年度)第2章「財政状況」図表2-2-15老齢・退職相当の平均月額(詳細版)男性65歳以上本来支給分(基礎年金部分を含む)172,217円と、厚生労働省 令和2年度の新規裁定者老齢基礎年金(満額)1人分65,141円を合計した。

 361,000円-238,000円=123,000円(年金に対する月間上乗せ額)
 123,000円×12ヶ月×30年=44,280,000円

 専業主婦世帯の老後生活期間30年間に、公的年金収入だけでは不足する「老後のゆとりのための上乗せ額」の合計額は、約4400万円となります。

 アンケート調査では、年収が高い人ほど「老後のゆとりのための上乗せ額」は高くなります。

 例えば、年収が700万円~1000万円未満の人が希望する「ゆとりある老後生活費」の平均月額は39.5万円となっています。
 公的年金だけで不足するのは、毎月157,000円。

 これを老後生活期間30年間で考えると、公的年金収入だけでは不足する合計額は約5700万円になります。

 週刊誌等で「年金にプラスして、5千万円の老後資金が必要!」と書かれていることがあります。これは、生命保険文化センターの「ゆとりある老後生活費」の中で、年収が比較的高い層のアンケートを元に導き出されていることがわかります。 

 どのくらいの「ゆとり」を希望するのかは、それぞれ違うわけですが、誰でもある程度のゆとりは欲しいところです。

 公的年金だけではカバーできない「老後のゆとりのための上乗せ額」を捻出するためには、ライフスタイルごとの対策が必要になります。

 次回は「老後のゆとりのための上乗せ額」を捻出する対策について考えていきます。

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山木戸 啓治  Keiji Yamakido


<プロフィール>
上級生涯生活設計コンサルタント
一級ファイナンシャル・プランニング技能士
CFP(日本FP協会)
社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員
平成15年より、ファイナンシャル・プランナーに就任し、生涯学習センター・公民館・大学の公開講座などで生涯経済設計の講師を務め、平成16年度・17年度には福山大学経済学部客員教授を兼務すると共に、企業の退職準備ライフプランセミナー、及び地方公務員の退職準備・生活充実ライフプランセミナーなどで講演活動を行う。
平成22年7月に定年退職し、その後も継続してライフプランセミナーの講師として活動中。

山木戸先生へのお問い合わせは、こちらへ


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