社会の課題が山積み!食品リサイクルの現場を見た

--毎日、大量の炊き立てのご飯が捨てられている!--

 株式会社Ridilover(リディラバ)が主催しているスタディツアー「売れ残り・食べ残しはどこへいくの? 膨大な廃棄食料のこれからを考える」に参加。食品廃棄物から豚の餌を作っている(株)日本フードエコロジーセンター(神奈川県相模原市)を見学した。
 当日は、同社の代表取締役の高橋巧一さんから食品リサイクルについてのレクチャーを受け工場見学したのだが、その内容はリサイクル問題だけでなく、社会のシステムまで考えさせる重たいものだった。 

 テレビや大手メディアが伝えにくい食品リサイクルの問題について、高橋さんはわかりやすく説明してくれた。
 その驚くべき内容をお伝えしたい。
 少し長くなったので、興味のあるところから読んでください。

ざっと、こんな内容です------------------

〇びっくり! 毎日8~10トンの炊き立てのご飯が捨てられている!
〇売れ残り、食べ残しを税金で燃やしている
〇知らなかった! 自治体によって違うゴミ処理費
〇なぜ? リサイクル飼料は安いのに、農家は高い餌を買い続けるの?
〇餌から豚肉販売へ「ループリサイクル」とは
〇なんと、移民問題にもつながっている!
〇クレーマーが販売の基準を作っている

(株)リディラバは、社会課題の現場を訪れるスタディツアーを行っている。
“得る”Cafeの紹介記事はこちらへ

スタディツアーのメンバーが、日本フードエコロジーセンターに到着

工場内には、食品廃棄物が種類別に並べられていた。ここでは、「生ごみ」ではなく「豚さんのお弁当」と呼ばれている。クリックで拡大

〇食べられるものが大量に捨てられている

 やや暗い工場の中は、重厚な機械の作業音で満たされている。少しすっぱいようなゴミの匂いが漂っているが、そんなにひどい匂いではない。キャベツの葉、いちご、スパゲッティナポリタン、フランスパン…が、それぞれ容器に入れられ並べられている。白いご飯や、調理前のラーメンの麺も。
 壁側には、翌日まで賞味期限のある食パンが袋に入ったまま大量に置かれている。

 生ごみには季節感もあるという。2月上旬には「恵方巻」が大量に廃棄されていたそうだ。
 スタッフは、黙々と人に食べられるはずだった食料を機械で処理していく。そこにはもう後ろめたい感情はなく、単なる仕事のプロセスになっている。
 大量の食品廃棄物を前に、やるせない気持ちになってきた。子どもの時から、食べ物を大事にしなさいと言われているのだから、誰だって申し訳ない気持ちになってしまうだろう。

〇コンビニ工場では、毎日1~2トンの炊き立てのご飯を廃棄している

 日本フードエコロジーセンターには、毎日、食品工場やスーパー、百貨店などから大量の食品廃棄物が入ってくる。
 中でも多いのが炊き立てのご飯。毎日8~10トンのご飯が、コンビニのお弁当・おにぎり工場などから入ってくるという。
 なんと、ひとつの工場から毎日1~2トンの炊き立てのご飯が捨てられるというのだ。

 なぜなのか?
 工場には、コンビニ本社から毎日3回のオーダーが入る。すぐにオーダーに対応しなくてはならず、オーダーが来てから炊いたのでは間に合わないのだ。
 もし、オーダー通りに製造できなければ、莫大なペナルティを課せられる。そのため、工場では常に多めのご飯が炊かれ、毎日1~2トンを捨てていく。

 コンビニに24時間おにぎりやお弁当が並ぶために、大量のご飯が捨てられているという現実がある。

〇スーパーや百貨店から大量の生ごみが出される理由

 ご飯の他には、何が捨てられているのか? スーパーや百貨店からは、形が悪くて破棄されたり、売れ残った野菜・果物、賞味期限の残っているパンなど、食べられるものが捨てられている。
 「スーパーや百貨店では、顧客のクレームを恐れているんです」と高橋さんは言う。
 形や色が悪い、賞味期限が切れているなどなど、クレーマーは容赦なくお店を攻撃する。そのため、見栄えの悪い物、賞味期限が切れそうなものを前もって廃棄する。
 クレーマーはほんの一握りの人なのだろうが、店側にとっては脅威の存在なのだ。

 また、同社には入ってこないが、飲食店の食べ残しも膨大なゴミになっている。最近ではドギーバッグで持ち帰る人もでてきたが、今ひとつ進まないそうだ。
 日本には食品安全衛生法があり、持ち帰った食べ物で食中毒になったら大変なことになる。そのため、ドギーバッグを嫌うレストランも多いという。
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大量に捨てられているご飯。クリックで拡大
高橋さんのレクチャーを受ける参加者
キャベツを処理するスタッフ。クリックで拡大
賞味期限がまだあるのに捨てられていた食パン。クリックで拡大

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